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フード・インクのtoriのレビュー・感想・評価

フード・インク(2008年製作の映画)
4.2
我々の体を作っている食べ物がこんなことになり暗澹とした気持ちになった
表示食品、生産者の顔が見える地産品、多少高くても有機食品を買い自分の身を守りたい
塩糖脂も極力取らないか質の良いものに変える、外食、レトルトなどを避ける等で自衛は出来る

この映画が作られた10年前にはオーガニックのエスタブリッシュメントが起きていたのでその後の隆盛に期待したいが逆に遺伝子組換も進化したので安全な食品選びはより困難になっていると思う

最もショックだったのは生育期間を2分の1にしてしかも体重を2倍にするつまり4倍の生産性での鶏肉製造
哀れな姿になった鶏達は自分の足で体重を支えることができず倒れたまま死んでいく
豚や牛は昔のような屠殺ではなくオートメーションで屠られていく
ノアの方舟で同胞だった彼らには生命を持つものとしての尊厳が忘れ去られている
食物連鎖の頂点に立つ人間の奢り身勝手さ

O157や鳥インフルエンザの原因も明らかにされている
資本主義は売らんがために少しでも安く大量生産をしようとする
そのあおりは安いものを買わざるを得ない貧困層がまともに受け
子供の糖尿病が増加、特に貧困層、とりわけ有色人種の子供の羅患率が高い

更に政府と大企業の癒着により多国籍企業が守られまともな零細農家が葬られる様、司法の不公平は「女神の見えざる手」を彷彿とさせた

映画とは関係ないがマック店内のあの独特の匂いが気にならなくなったら終わりだと思う
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