おばけつ

希望の灯りのおばけつのレビュー・感想・評価

希望の灯り(2018年製作の映画)
4.0
2022/7/28 731作目
旧東ドイツ、ライプツィヒの巨大なスーパーマーケット。そこへ一人の青年クリスティアンが新人として雇われる。飲料担当のブルーノの下で在庫管理を任されたクリスティアンはフォークリフト免許取得のため日夜練習を重ねる。やがてクリスティアンは菓子担当のマリオンにほのかな恋心を抱くようになる。

さすがドイツ、恋愛物でも『フリッツホンカ』並みに暗いけど珍しくドイツ映画の暗さと緩慢な日々や恋愛のもどかしさがマッチしてる。と思ってたら果てしなく真っ黒の深淵と化した…。
経済的な理由だけでなく、社会主義国の労働者階級から資本主義国の労働者層になったことで本質的にも貧しかったんだろうな、ブルーノ。
遥か前から労働者として住んでいるブルーノの家と郊外から越してきたマリオンの家の対比が物語ってる気がします。
監督が描きたかったのは、今現在も激しい排外デモを行って悪名高くなってしまった東ドイツの労働者層の、本当の姿なんでしょう。悪い人たちではない、むしろいい人、だからこの問題は難しいのだ、と。
ブルーノの死を受け入れつつも前へ進んでくれ。家入るのはまずいと思いますけど。
ハッピーエンドまで暗いの初だろ。
マリオン役のサンドラ・フラー、めちゃめちゃ笑顔が素敵で大ファンになりました。