たく

空母いぶきのたくのレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
3.5
日本の外交防衛における有事シミュレーションで、話の展開がリアルで手に汗握った。架空の近隣国からの突然の攻撃を受けて自衛権を発動するかどうかの決断を迫られる総理大臣の姿が、それに近い状況をギャグ的に描いた「シン・ゴジラ」とは対照的に真面目な演出にしてたね。
一方的に攻撃されて死者が出てもなお反撃による外交的な影響を考慮せざるを得ないところに政治の難しさを考えさせられた。

終始不敵な笑みをたたえてるサイコパスっぽい艦長の西島俊秀と、人間味のある佐々木蔵之介の空自・海自対立を対照的に描くベタベタな演出がギリギリ嫌味になってなかった。
CGが安っぽかったのは構図が素晴らしかっただけにちょっと残念。邦画は予算がないのでしょうがないかな。

ラストで斉藤由貴が「忖度」って言葉を「本当の意味」で使うんだけど、政治家をカッコよく描きすぎてるしやっぱり忖度してるじゃん!ってなった。
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