猫脳髄

バーニングの猫脳髄のレビュー・感想・評価

バーニング(1981年製作の映画)
3.0
ワインスタイン兄弟のミラマックスが手掛けたスラッシャー作品。キャンプサイトを舞台にした作品と言えば「13日の金曜日」(1980)、「同PART2」(1981)が製作されており、この時点で後塵を拝している。しかも脚本がすさまじくダルく、作品の質を決定的なものにしている。これではトム・サヴィーニの特殊メイクも豚に真珠だろう。

傲慢なキャンプサイトの管理人が少年たちのいたずらで火だるまにされ、変わり果てた姿で復讐鬼と化すという筋書き。約90分の作品で、冒頭を除いて半分超(約50分ほど)まで殺人鬼と被害者が接触せず、ひたすらサマーキャンプに参加した男女のしょーもないやり取りを見せ続けるとはなかなかの心臓である。

満を持して剪定鋏を得物にした殺人鬼が殺りくにおよんでからは、こちらも待ってましたと身を乗り出すが、すぐに尻すぼみになってしまう。致命的なのは、冒頭の回想シーンを何のアレンジもなく、クライマックスで再びシーンごと垂れ流してしまう無策である。殺人鬼も特殊メイクこそ立派だが、尺が詰まったせいで敢えなく退場となってしまう。何がしたかったのか、哲学がないままスラッシャーの外形をなぞっただけの駄作。
猫脳髄

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