ぎー

子どもが教えてくれたことのぎーのレビュー・感想・評価

子どもが教えてくれたこと(2016年製作の映画)
4.5
難病と共に生きる5人の子どもたちを追ったドキュメンタリー映画。劇場公開時に映画館で観たが、ボロボロ泣いた。レンタルで見つけてもう一度観てでも何で泣いたかが未だによく分からない。確かなのは悲しさや、子どもたちに対する哀れみからではなく、ポジティブな感情からだということ。

この作品に出てくる子どもたちは、全員が自分の病気を自分の言葉で説明できる。自分がどんな病気にかかっているかを自分なりに理解し受け止めているからこそ、治療も遊びも「今」を全力で生きる彼らのエネルギーに胸が熱くなる。そして彼らは自分の周りの人やものを思いやる優しさも持ち合わせている。親に、友人に、庭の草花やペットの鶏にも想いを寄せる。
もしかしたら彼等は健常者の何倍も濃い時間を過ごしているのかもしれない。それは彼等の「可能性」とそのまま言い換えてもいいとも思えてしまう。

この作品の主人公の一人、アンブルという女の子の姉が終盤に「子どもがやりたいことをやらせるのが一番。もっと命を信じなきゃ。」と語るが、この言葉に本作に込められたメッセージが凝縮され、私たちに力強く投げ掛けられたような気がする。
命を信じることが、私たちに一番必要なことなのかもしれない。
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