Sinamon

母さんがどんなに僕を嫌いでものSinamonのレビュー・感想・評価

4.0
タイジ(太賀)は、情緒不安定な母(吉田羊)に、心身ともに傷つけられていました。
17歳で家を飛び出し1人で生きていこうと決めるのですが、幼少期から見守ってくれた工場のお婆ちゃん(木野花)との再会や、大人になって出会った友人たちの存在に励まされやがてタイジは大好きなのに自分を拒絶する母に歩み寄り、向き合おうとするストーリーです。

原作を読んでいたのでいつか観たいと思いながらも先延ばしにしてしまいやっと観る事が出来ました。

幼い時から大好きな母親から受ける冷たい視線や言葉の暴力の数々、みっともない、キモイ、産まなきゃ良かった、太っているからと豚と呼び、数々の仕打ちにいつも笑顔で母親に接し自分が悪いんだと自己嫌悪にさらされるタイジの姿に涙しました💧

唯一父親の工場で働くタイジがお婆ちゃんと呼ぶ人がいるのですが、笑って誤魔化し辛い気持ちを押さえ込む事が当たり前になっていたタイジに笑う方法を教えてくれ、いつも味方でいてくれるお婆ちゃんがいてくれて本当に良かったと思いました。

ある事で母親とお婆ちゃんと一時離れて暮らす事になるくだりでは悲しくって切なかったです😢

再び母親と暮らし始めるのですが、ある出来事をきっかけに母親の元から逃げるように家を出て行くタイジですが、友達が居なかったタイジに友達が出来て、とても楽しそうなタイジを見て心から認めてくれる誰かがいる事の大切さを知りました。

後半、友達の言葉に動かされ母親ときちんと向き合う決心をして再び母親に会い、親子の絆を取り戻していこうとするタイジの姿に泣きました😭

どれだけ嫌われても子供は母親の事が好きなんだと心に響く映画でした。

重い話なのに仲野太賀さんの演技がとても愛おしくて、仲野太賀さんだからこそこの映画が良い物になったのかなと思いました。

吉田羊さんの演じる母親が観ていて大嫌いになるくらい憎たらしく、冷たいのにどこか儚げで綺麗でこの役柄にとてもハマっていました。

タイジの周りの人達のように暖かくて愛を教えてあげられるような人に自分もなりたいと思えた映画でした。

泣けて心に染みる映画なのでおすすめです🎬️✨✨
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