すみ

母さんがどんなに僕を嫌いでものすみのレビュー・感想・評価

3.0
私には受け入れ難い映画だった。
毒親の母親と縁を切ったけど、あることがきっかけで、母さんと親子としての関係を取り戻そうとする息子の話。
仲間の優しさにふれて、自分を顧みたからこそ、嫌いだった母さんと再度向き合いたいという、タイジの心の成長・変化は見ていて腑に落ちた。

けど、母さんは配偶者が死んで心細くなかったらタイジには目もくれないだろうし、病気で弱ってなかったら言うこと聞かずにまたヒス発動させてたと思う。
たまたまタイミングよく心身弱ってるところに息子がやってきてくれて、それを都合よく受け止めた母親という風に見えてしまった。

それでも親子としてのかけがえのない時間を過ごせたことは貴重ということなのか?
母さんがそこまで大事にされるようなエピソードの描写がなかったから、タイジが躍起になって母親にアレコレするシーンは少し違和感を感じてしまった。
最後の方はまさしく親子逆転だし、あえてなのか最後まで母さんからの謝罪がないこともいや。

この話は母親信仰を描きたかったのか?
子供はいくら酷いことをされても母親ことを嫌いになれないし愛を求めてしまうという皮肉なのか?
重いテーマの中で、どういうメッセージが込められているのかイマイチ理解できなかった。

母さんの虐待がひどくて見るのもしんどかったけど、母さん自身も虐待されてたのには納得。
自分がしてもらえなかったこと、子供にしてあげられないよね。
きっと上手に愛せない自分自身にも苛立って、その反動で子供を嫌いになる一面もあっなんじゃないかな。
母さんもある意味被害者で、こういう母親と子供が少しでもいなくなるにはどうしたらいいのだろうと考えてしまった。

唯一ばあちゃんのシーンだけはすごく泣けた。
「僕は豚じゃない」を言わせてくれなかったら、今のタイジはいないだろう。

「理解はできる方からする」
「子供が変われば親も変わる」
すみ

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