saki

アイネクライネナハトムジークのsakiのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます


自分が誰を好きになるかわからない。
好きになったのがこの子でよかった!ナイス判断だった俺!って思うのが財布を落とすことよりすごいことなんだよ

彼女でよかったな、ついてたな俺は

結局さ、あの時あの場所で出会った人がこの人でほんとに良かったなーって後で思えるのがいちばん

自分の幸運に、後で感謝できる出会いが1番なんだって。

出会いを扱う中で何度も繰り返されたこの主張は、救われるような、叱られるような、きっと次見るときにはまた違うメッセージなんだと思う。

街頭アンケートくらい転がってる人たちの少しずつリンクしていく小さな小さな伏線が、伊坂幸太郎やなぁ〜〜と小説読みたくなった

「劇的な出会いや華やかな人生じゃなくても」と、登場人物に世界王者が居ても思わせて、10年の長い時間もまるで'普通'に描かれている作品

日常の自分やまわりに、思いやりや奇跡に少し目が向いて、流れる毎日の中に好きになれる自分を見つけて。そう思える行動や瞬間が生まれるようになる優しさをくれる2時間

なにも思わない人は、きっと本当になにも思わなくてむしろつまらない普遍さだけど、私はこの普遍の中に生きているからどうしても抱きしめたくなってしまう
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