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ねことじいちゃんのksmのレビュー・感想・評価

ねことじいちゃん(2019年製作の映画)
3.5
最も信頼できる動物写真家・岩合光昭さんが監督した猫映画に観ない理由があるか?いや、ない

内容はともかく、ネコチャンたちが島でいきいきとのんびりしているのをたっぷり眺められただけで、それだけでもう良いんじゃないか、そんな映画でした

猫、海、夕陽、柴咲コウ、愛と平和、𝐿𝑜𝑣𝑒 𝑎𝑛𝑑 𝑃𝑒𝑎𝑐𝑒 …
スタッフロールで、役者の並びにネコチャン達の名前がずらっと並ぶの良すぎだし、主演ネコチャンの本名が「ベーコン」だったのもかなり最高

と、表面上はとても穏やかなほっこりムービーではあるんだけど、「高齢化で過疎が進む離島」という舞台には"衰退と死"の匂いが絶えず漂っていて割としんどかったのがおもしろい
大体、このほのぼの雰囲気で登場人物たちがびっくりするほど死と隣り合わせなの、だいぶスゲー事が起きてると思う

(ここからどうでもいい自分語りです)
何年か前に小さな猫島に遊びにいった事があって…
交通手段は不安定な1日2本の定期船だけ、人口は高齢者数人のみ、資源はなく朽ちた家屋が並んでいて解体もされず、当然出戻りする若者ももういない、そして住んでいる大勢の猫たちは去勢手術済みで繁殖しない = つまり数年単位の近い将来、島は無人・無猫になる

猫かわいいなと思いつつ、この日本の「滅亡」の一部を目の当たりにした気がして、その時結構愕然としたんだよな
この島に限らず、こういう集落がどんどん失われている事を実感したというか

だからこの映画も、どうしても暗い未来が見えてしまって複雑だった
そして映画全体が持つ、若いってのはいいなァ❗️的な、シニアの軽いノリが無責任に思えたし、若者の目線とズレてる感じがあってちょっとムッとしちゃった
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