水

家へ帰ろうの水のレビュー・感想・評価

家へ帰ろう(2017年製作の映画)
3.9
"1945年、ポーランドでユダヤ人に何があったか知っているか?"

88歳の頑固親父アブラハムがブエノスアイレスからポーランドに住む旧友に自分が最後に仕立てたスーツを届けに行くロードムービー。

最初のほうはほんと頑固親父で冷めた家で、頭いい孫娘とのやり取りを除き何も感じないシーンだけど、次第に浮き彫りになるアブラハムの人生。

旧友とは誰なのか?
ポーランドを口にしたくないのはなぜか?
ポーランドに近づくにつれ少しずつ明らかになるアブラハムの過去。
断片的な幸せな記憶と助けてもらった記憶の映像と、最も残刻な悲しい記憶はアブラハムの語りのみ。
直接的な描写は無いのに、その記憶が70年経った今でも色褪せることのない、どれだけつらい記憶かを物語る。

どうしてもドイツに足を下ろしたくないアブラハムのために、道中出会ったドイツ人女性が自らの服を地面に敷いて道を作ってくれるシーンは印象的。このあとのアブラハムの行動マジで良かった!
過去のドイツ人が犯した過ちを後世に伝え、何代にも渡り償おうという国民性が素晴らしいよね。

70年帰れなかった家にやっと帰る。
再会のシーンは泣いた、、、!
こんなに美しい再会ってあるんだ。
"家へ帰ろう"
水