N

博士と狂人のNのレビュー・感想・評価

博士と狂人(2018年製作の映画)
3.0
オックスフォード英語辞典の編纂を中心に、友情・夫婦愛・罪と赦し(宗教的な観点)を描いた作品。

全ての英単語を、由来まで網羅した辞典をつくる。
単語1つにも多くの意味があり、その起源は何世紀も前に遡ります。。
辞典を作るために辞典を引くことはできないので、起源から何世紀分ものあらゆる書物のなかから1単語を探し出し、変遷を読み解き編纂する必要があります。

当時全ての英単語を網羅した辞典は無く、新聞にも取り上げられ他国からも注目を受けるような、国の威信をかけた一大事業だったようです🤔

結果的に完成まで70年もかかった途方も無い作業。
個人的にはその編纂作業に焦点を当てて欲しかったけど、それを取り巻く人間関係がメインなので深くは描かれず。辞典編纂の意義や大変さが理解できるようなシーンがもう少し欲しかった。

主人公は精神病院に収容された元軍医のマイナー。憔悴しているものの、元々は聡明な彼による協力で辞典編纂が進みます。
彼は精神病のせいで誤って人を殺しており、その罪の意識にさいなまれます。

そんな彼の周囲には、彼をモルモットのように扱う精神科医と、彼をサポートする人情深い看守と、辞典編纂を通して彼との友情を固く結ぶマレー博士と、彼によって夫を殺されたものの彼を許し愛す未亡人がいます。そしてそのバックにも多くの人の協力があります。

彼を虐げるのは罪の意識と精神科医1人のみ。
他の人々からの愛と尊重により絶望の淵から救われる彼を描きます。それだけの人徳がある彼と、そしてその周囲の人たちの慈悲深さに胸を打たれる作品。

ただとにかくあれもこれもと忙しく、2時間の映画にするには無理があったように思う。
マレー博士との友情の話、未亡人との赦しの話、マレー博士とその奥様の夫婦愛も、それぞれが一つの映画に出来そうなくらいの奥深さがあるので勿体ない!

個人的には看守のマンシーがいちばん良かった。

総合評価としては、これが実話であること、そしてショーンペンの演技の凄さで評価を得られているだけではと思ってしまいました🥲ゴメンナサイ
N

N