柏

博士と狂人の柏のレビュー・感想・評価

博士と狂人(2018年製作の映画)
4.7
大学に入ってからその存在を知って、今年は特にたいへんお世話になっているOEDのその編纂の経緯や歴史は昨期受講した講義でも少し聞きかじったが、その壮絶さにちょっと引く思いだったのをよく覚えている。
ちょうど出会って興味を持ち始めた今年にこの映画の公開と巡り合ったことにはなんだか縁のようなものを感じるし、これは絶対に見なければならないと思っていたところでオンライン試写会の機会をいただきいち早く、しかもたまたま実家にいたのでパソコンから大きなテレビに接続して映し出してみられたのでこれまたふしぎなうれしいタイミング。

いろんな意味で“痛い“シーンが意外と多くて途中は苦しくもなったが、言葉の力、愛の力の強さは、未来が見えず不安にもがく今の自分に力強く響いた。
文盲の女性に字を教えていくことを通して次第に心が通う様子は、表面に見える部分以上に彼女にとっての救いになったんだと思う。言葉があればどこへでも行けるのだ。愛と喪失の悲痛なせめぎ合いが全編を通じて描かれていた印象。

劇場公開されたらまた観に行こうと思う。普段は映画は一人でしか観ないけど、大切な人と一緒に観にいってみるのもいいかもしれない。私の大切な作品になったから。
柏