まよいマイマイ

ライトハウスのまよいマイマイのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
3.8
モノクロの映像、1:19のアスペクト比、閉ざされた孤島、雨がふきつける灯台、ほぼ全編に渡って低く鳴り響く霧笛‥
最初から視覚的、聴覚的に窮屈な思いを強いられる『ライトハウス』

それは空間だけではなく上映時間も影響しているのかもしれない
物語は寓話的で雨や大波、異常な海鳥の群れ、灯台守ふたりの会話が主で派手な展開や大きな波乱がやたらあるわけではない
神話的なカットやかつてのユニバーサルモンスター映画のような印象的なカットはあるものの(そこそこの)ある種の退屈さも強いられる
その点、約110分という上映時間もまた観客を縛りこみ窮屈さを強いられる
時間と空間が観客を縛り込み理性を問われていく

『ウィッチ』でも見られたがロバートエガース監督はホラー映画というより怪奇映画、幻想映画、の作り手なのだろう
現代で怪奇幻想映画をつきつめている監督は少ないので貴重だ

【パンフレットについて】
非常にボリュームがあり象徴的なカットの解説やこの作品の骨ともなる映画や文学、絵画の紹介が盛り沢山。
またアリアスター監督との対談もある。
もちろんロバートエガース監督のインタビューも収録
未読だが伊藤潤二の漫画も収録されているw
レアといえばレアか

【上映館数が少なすぎるのは難点】
かなり好みが分かれる、というか一般的な観客は観ないだろうし勧めようとも思わないが映画好きな方ならばとりあえず観ておきたい作品だと思うので上映館数の少なさには泣けてくる
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