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ライトハウスのkのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.6
謎が、満ちてゆく

意味はわからないけどとにかく不安な気持ちになる映画だった。圧迫感のある重たいサイレン音が定期的に鳴り響き、人魚の悲鳴が耳に刺さる。もう嫌すぎて本当に逃げたくなった。広いはずのスクリーンをほぼ正方形に区切った画面はこの映画の島から逃げられない閉鎖的な息苦しさとリンクして感じた。観てる側も鬱になってしまうような、精神的にきつかった。

モノクロは必要最低限の情報しか入ってこない、だからこそ灯りの眩しさが際立っていた。しかも、モノクロでもここまで汗と潮と泥と血と酒臭さが全部嫌なほど伝わってくる。カモメ、人魚、灯りはなにかのメタファーなのでしょうか。

観賞後も断片的に不快なシーンがフラッシュバックする。ラスト15分くらいの彼の表情と展開はもう忘れられないでしょう。教訓的なことなのかと考えたけど、ギリシャ神話を基にしていたらしい。後調べ必須。
とにかくこの不快さを劇場で味わえて良かった。理解度は低かったものの、なにか強烈に釘付けになってしまう魅力を感じる映画だった。
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