utako

ライトハウスのutakoのネタバレレビュー・内容・結末

ライトハウス(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2人の灯台守が島へ派遣されたが、片方が病気を患い死亡。残された男は殺害容疑をかけられたくないため遺体を保存しようと腐敗した死体と数ヶ月間を共にし常軌を逸してしまう…

という、実際にあった元ネタをベースに、全編モノクロームで撮影され、正方形に近い独特な画角、大袈裟で不穏極まりない効果音や音楽、はたまたウィレム・デフォーとロバート・パティンソンという演技派ふたりの狂気と不気味さ満載の印象的な芝居合戦、間、見せ方にも終始拘りを感じたりして、総合的に意図が詰まり過ぎた胸がざわめきっぱなしの唯一無二感ある作品でした。
前後不覚になるようなエピソード構成と焼きつくような印象に残るカットを挟み込んでくる手法は、昔の白黒映画を観てる感覚…言葉の説明は一切なく、空気を感じろ!的な創りになっており、想像力を煽られ頭がフル回転しました。

観賞後に軽く解説をみると、様々なオマージュが詰まってるようですね。ですが、わかるようでちょっとわかりにくいこの手の作品は解釈に正解などなく、受取手が好きに感じて観て良い映画だと思っていたりします。

絶海の孤島、ソリの合わない年の離れたふたりの男が打ち解け合いながら揉めながら次第におかしくなっていく。空想の人魚で自慰したり、ギリシャ神話や不穏な言い伝え話が出てきたり、信頼してると言ったかと思えば取っ組み合い罵り合う。アルコール中毒も手伝っての錯乱状態、壮絶な情緒不安定プリから閉鎖的孤島生活の異常さが怖いほど伝わってきて、殺人が起きるのか?2人とも死ぬのか?と、この話しの結末が見えず目が離せなくなりました。
ふたりが全く同じ名前だというところで、すごいもん観せられてるー!と、ゾワゾワしましたね。

他作品では観れないウィレム・デフォーとロバート・パティンソンの鬼気迫る芝居、大変良かったです。

薬物中毒者から見る空想の世界を具現化して描いた『裸のランチ』がちょっと過った。
utako

utako