にしの

ライトハウスのにしののレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.5
 不安、閉塞、焦り、苛つき。嫌な感情とその先の狂気が昔の灯台管理人をメタファーにして描かれた嫌な110分だ。実のところ、僕が求めていた「サイレン」の映画化がこれなのだ(某邦画は忘れて欲しい)。
 嫌な感情から彼らを救うのはアルコールしかない。酔ってはじめて人間になれるが、それ以外では嫌な感情に飲まれて少しずつ狂っていく。アルコールが人を狂わせるのか、狂わないためのアルコールなのか。
 泥酔した時の陽気さと粗雑さ、それが明けた時の狂ったものの考えと絶望は見るに堪えない共感があった。忘れられない作品だ。
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