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教誨師のoukayukaのレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
3.4
「教誨師」とは収監中の囚人に過ちを悔い改めるよう教え諭し、話し相手になるボランティアの宗教者。そういえばジョジョのプッチ神父もこの教誨師だったらしい。『ルポ 死刑』のオーディオブックで「きょうかいし」という言葉が頻繁に出てきて、どういう字を書くのか検索したらこの映画がヒットしたので見てみた。

今は亡き大杉漣が、牧師として拘置所に通い死刑確定囚の教誨を行う。作中はほぼずっと会話劇。気のいい話好きなヤクザ、字が読めない元ホームレスの老人、自分勝手な理屈を振りかざす殺人鬼、一方的にまくしたてる大阪のおばちゃんなど、クセの強い人ばかり。一見、普通に見えてもいきなり激高したり泣き出したり、皆がやはり異常な面を持ち合わせている。

ストーリーにあまり起伏もなくずっと会話が続くので、退屈に思う人もいるかもしれない。自分も何度か寝かけた。しかし終盤、ひとりの囚人が絞首台に連れて行かれることになり、さすがにその場面は緊張感があった。その場に立ち会う唯一の民間人らしく、実際の心理的負担は大きそう。
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