このレビューはネタバレを含みます
流れ着いた地で、流されるままに生きる狡噛。
道中で助けた娘テンジンに強引に護身術を教えることとなり、
そこに花城フレデリカも登場し、同じ屋根の下での生活に。
テンジンにとって狡噛と花城との生活は疑似家族となり、
テンジンの心を癒やしていく。
それは人との付き合いを避けてきた狡噛も一緒だった。
「人を殺してしまうと、殺す前には戻れない。」
という狡噛の台詞は自身に語っていて、
恩讐の彼方に、という小説を引き合いにして、
復讐の意味の無さを説くのだが、
それは自身が復讐を遂げたときにそこに達成感などなく、
虚無感だけがあったのだろう、
だからその地から脱し、訪れた先で目の前の出来事に
自ら巻き込まれることにより、それを上書きしようとした、
結局は出来なかったわけだけど。
見ようとしなかった、離れようとした場所へ戻る決意は、
テンジンに語ったことを反芻し、花城により心を見透かされ、
それらをひっくるめて認めて、前を向くことが出来たから。
アニメ3期、そしてまた映画化に期待。