ほおづき

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へのほおづきのレビュー・感想・評価

4.5
Filmarksでよく見かけたから鑑賞したけど、もう主人公がかわいそすぎてこれ突然自殺しちゃうおはなしじゃないよね・・・って不安になって途中で観るのやめようかと思ったけど、そういう映画じゃなかった。
読後感がよくって最後まで観てほんとによかった。最後の最後の演出、めちゃくちゃ鳥肌立つ。


8th(エイス)グレードっていうのは8年生。
来年度、中学生から高校生になる節目の年。(小学5年、中学3年、高校4年)
一番多感な時期で、日本でいうところのいわゆる中二病発症の時期。人生のあらゆるものはこの時期に影響を受けたもので構成されると言われる歳。そんな時期に見るもの経験するものは全てが新鮮で楽しくて辛くて悲しくて、そして痛い。

その中で主人公の女の子はお世辞にもスタイルがいいとは言えず、地味でにきび顔で自分に自信もなく上位カーストの女子にも相手にもされずにもんもんとした日々を送る。
それでも自分を変えようとメイクアップした最高の自分で日々動画配信するが、慣れない行為は全て裏目に出ちゃう。


とにかく主役の女優の女の子のにきび&ぽっちゃり&根暗な感じと、演技とは思えないリアルな立ち振る舞いが、ほんとに丁度いい具合に低ヒエラルキーの陰キャ感を出していて、今どきの思春期の痛々しい姿が辛くてしかたなくなる。

あとパパがほんとにいい人。でも、いちいち気にかけてくる父親にイライラしちゃう娘と衝突しちゃう・・・
これ今は思春期だから鬱陶しがられてるけど、この父親なら絶対将来仲良くなると思う。こんなに親身になってくれてるんだから。そんなことが垣間見える二人の関係性も良くってがんばれパパ!っていう気持ちになった。