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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へのYOUのレビュー・感想・評価

4.0
ボー・バーナムが監督・脚本を務めた、2018年公開の青春ドラマ。

・私自身が完全にSNS世代だからなのでしょうが、「アメリカ青春映画」というジャンルに限って言えば私は近年の方が傑作・良作の数は全然多い気がする。

・主人公ケイラ役にエルシー・フィッシャーを当てた時点でこの映画は既に勝ってる。彼女の美人顔なんだけどニキビが多く眉毛も太い、オマケに若干太り気味という外見。留学経験も外国人の友達も全くもって皆無な私でさてこんな生徒は中学・高校で50人は見ましたし、何より僕自身がこんな感じの残念ルックスでした(私はそもそも美形ですらありませんが)。青春映画・ティーン映画はまずここの説得力があるかどうかでだいぶ変わってきますよね。


13〜14歳(中学校卒業間近)という「豊かな探究心と繊細なメンタル」、ひいてはそれ故の”痛々しい時代”が見事に切り取られており、決して彼女ほどSNSを駆使したり自己発信した経験が無い私でさえ、終始胸をジワジワ抉られるようなしんどさを感じました。特にしんどいのは中盤のプールパーティーシーン!あそこでのケイラの「不安8割/楽しみ2割」なソワソワ感や実際その賑やかな場を前にして一気に押し寄せる後悔、更には水着のチョイス一つとっても明らかな自分の一段未熟感など、とにかくこの場面に映る全てがこじらせ中学生にとっては地獄としか言いようがなく、ここばっかりは危うく早送りしそうになりましたね。ただ本作が作品のレベルを更に一段上げているのは主に後半部です。前述した通り前半部では中学時代の「豊かな探究心と繊細なメンタル」を”痛々しい時代”として描きますが、後半ではそれが”危うい時代”として描写されています。それこそ『SNS-少女たちの10日間-』でも容赦なく描かれていたような「性被害者の低年齢化」という現代的・社会的テーマ性が、これまた実にリアルな嫌らしさを以て突き付けられます。そして本作の最も現代的な部分はSNSを「悪影響を及ぼす存在」と一方的に決め付けるのではなく「若者が自分自身を思う存分表現出来る場所」という存在価値も同時に示している部分であり、こうした青春映画におけるSNSの真にフェアな描き方は『竜とそばかすの姫』を思い出したりもしました。クライマックスの名シーン含めやはりこれはちゃんと「全世代に向けた映画」ですし、こういう作品こそリアルタイムで観ないといけないなと改めて実感しましたね。「可愛さ・ポップさ=取っ掛かりやすさ」をより加味した日本版のポスターや副題も実に秀逸。



























































































ていうかケイラのみならず全員会ったことあるような気がする。
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