短パン社長

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私への短パン社長のレビュー・感想・評価

4.2
予告動画だけだったらこの映画を観なかったかも。お友達があるサイトのリンクを貼ってツイートしてくれてて、それ見たらみるみる内に印象が変わって気づいたら予約してました。
まだまだ上映館数少ないみたいだけど、アメリカでもスタートは4館だったみたいだし、日本でもそうなる事を願う。でもどうかなー。日本人どうかなー。笑
特にSNSについて全く理解できない親とかが観ても、ただ昔を思い出すだけで、こういった今を生きる中学生の悩みを少しでも感じ取ってあげれるのかなーなんて余計な心配をしたりしちゃうのも事実。未だテレビや新聞、マスメディアでしかニュースや広告を見てない人もたくさんいるからね。それを知る意味でも見た方がいい。

元天才ユーチューバーのボーバーナムはもちろん新鋭監督。でもソーシャルメディアで一気に一躍有名人になり、その表と裏をよく知っている、知りすぎている彼だからこそ描けた映画なんだと思う。たしか16歳。高校生でいきなりスターへの街道を登り、コメディアンになり、ミュージシャンになり、一度挫折も経験し、今はもう29歳。でもまだ29歳だからね。さすがとしか言いようがない。

13歳の主人公の女の子(ケイラ)がこれまた演技が上手。同級生のお母さんがFacebookグループで招待するって言って、娘がもうFacebookなんてやってない。って言って、その後、その娘からケイラにInstagramのDMで送ったりしてる場面の描き方も細かい。その他も色々な描写がイチイチ細かくて思わず頷いてしまう。まさに今を表現してる。
フィクションなのにまるでノンフィクション。ウソがまるでない。
今を生きる若者はもちろん、SNSに慣れ親しんだ我々も観るべき映画。
そこに感動があるわけじゃない。特に映画側からのメッセージはない。終わった後に、うわー!すげー面白かったー!とか、感動したー!とかもない。
自分で感じ取るしかない映画。言葉にするのが難しい。感想はお前たちに任せた!的な。SNS世代の少女が思春期に入って日々成長していく姿をただただ描いた新感覚の青春映画。これ、ホントスゴい。
音楽にエンヤとか、カニエウェストとか持ってくるところも面白い。絶対その世代知るわけないのに。