AONI

祇園祭のAONIのレビュー・感想・評価

祇園祭(1968年製作の映画)
3.5
同和問題を前面に押し出した異色の大作時代劇。 祭りの復興と共に、京の町の復興を願った民衆の思い。その思いが込められてきた山鉾が、今年も京の町を巡行していく・・・。

この物語は立命館大学の教授が製作・巡回公演した紙芝居が基になっているそうな。加藤泰や学生時代の大島渚も参加していたらしい。そのせいか映画にも学生運動の機運というか同和問題や反体制の雰囲気が残っている。

山鉾が動き出す祭りの迫力は圧巻。錦之助&田村高廣が山鉾に乗り、三船敏郎が先導し渥美清が引く。なんて贅沢な画なんだ!京都の町並み、天高い青空も壮観である、

ミフネが思いの外に大活躍してくれるので嬉しい。勇壮と馬に跨る姿はやはり様になる。 渥美清が真剣な面持ちで画面に登場するだけで場内からクスクス笑いが洩れる。なんとも希有な俳優だ。
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