ゆず

劇場版総集編 後編 メイドインアビス 放浪する黄昏のゆずのレビュー・感想・評価

4.2
癒しと嫌悪感の狂おしいハーモニー…。ナナチハウスへようこそ…。
いや、そこより前のシーンがまず絶望ハンパない。後編に入った途端にこれかよ!と悲鳴を上げたくなるほどの深刻な事態発生。痛さ・辛さを1〜10で表したら前編は3くらいなんだけど、後編はいきなり10です。そのくらい落差が激しくて驚く。度し難い…。

そんな中、ナナチという最高に癒される獣人がアビスに降臨!全ケモナーが泣いた奇跡のウサ耳アイドル!「んあ」っていうのがヤバ可愛い!存在が可愛い!総集編後編は<ナレハテ>のナナチにまつわるエピソード。こんな可愛いキャラが後編にしか出てこないなんてもったいないぜ、とマルルクちゃん(前編の推し幼女)のことも忘れて思ったんでありました。

ただしこのアニメが度し難いのは、「可愛い」「癒される」だけでは済まないこと。
ナナチの話はつまりミーティの話であり、このミーティがはっきり言ってホラー以外の何物でもない造形。人の姿を留めておらず、画面に映る度に嫌悪感が呼び覚まされる。<アビスの呪い>の容赦のなさと人間の業の深さをその身に背負った可哀想なキャラなのだが、それ以上に外見の気持ち悪さが勝ってしまう。
そんなどう見てもキモいミーティと、どこからどう見ても可愛いナナチが同時に存在する。癒されながら身の毛がよだつ、なんとも度し難いアニメなのである!(改めてポスター見たらなんと正面にナナチもミーティもいたんじゃん!度し難い!)

そして、観てる途中でなんとなく気づいてしまったけど、後編では完結しないあたりも度し難い。新作続編は劇場版で楽しめるらしい。いや、楽しめるのだろうか…?痛さ10を超える展開が絶対ありそうで怖い…。
ゆず

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