たく

影踏みのたくのレビュー・感想・評価

影踏み(2019年製作の映画)
3.3
一卵性双生児の特別な絆という幻想に囚われた男の人生克服物語で、翳のある役を山崎まさよしが好演してるけど、話自体がちょっとまどろっこしかったかな。

「ノビ師」と呼ばれる泥棒を生業としている修一がずば抜けた忍びの技術でその界隈に名を轟かせてて、金持ちの家しか狙わないのがロビンフッドとか石川五右衛門みたいな義賊設定になってる。そんな彼がある日忍び込んだ県議会議員の家であっさり捕まっちゃう不自然な経緯の裏でうごめく黒幕を追っていくサスペンスが軸になっていくんだけど、修一が囚われてる忌まわしい過去とほとんど関係ないのがずっこけるんだよね。
ここに修一を昔から慕ってる久子のエピソードが絡んできて、ストーカー絡みのもう1つのサスペンスが展開するのが、これも本筋と無関係というなんだか焦点の定まらない話だった。

修一といつも一緒にいる北村匠海が何の説明もなく登場し、「キッズ・リターン」みたいな自転車二人乗りが何度も出てきて仲睦まじいな~と思ってると、観客が事態を理解したときに軽い衝撃が走る演出が映画的で上手かった。
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