ギョギョン

21世紀の女の子のギョギョンのレビュー・感想・評価

21世紀の女の子(2018年製作の映画)
4.0
「わたしを世界でいちばん夢見がちな女の子にしてね」
『離ればなれの花々へ』より。

この言葉がこの映画のすべてを語っている気がしました。なんて言葉だろう。
誰に向かっての言葉かは定かでないけど、きっと、恋人や家族や、友だちや、その女の子にかかわるすべての人間に対するメッセージなんじゃないかと思う。
いつまでも女の子でいたい、誰かの世界でいちばんになりたい、非現実な世界に身を置きたいというのは、性別も年齢も超えてみんな心のどこかでひっそり願っていることだと気づかせてくれる。「あ、自分だけじゃないんだなあ」って。
この映画を見ていると、ああなりたいと思う女の子もいれば、なりたくない女の子も出てきて、女の子、というのはきれいなものと醜いものがまざり合ってできていて、それで初めて女の子になるのだと思った。

女の子ってなんだよ、わかんねえよと思う人は、無理に理解者ぶってわかろうとするんじゃないだろうか。「女の子はわけがわからない」という前提で物事を考えることができていないのだと思う。多分この映画を見ても、結局のところ「?」だと思う。