紅蓮亭血飛沫

狂獣 欲望の海域の紅蓮亭血飛沫のネタバレレビュー・内容・結末

狂獣 欲望の海域(2017年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

本作はドラゴン×マッハ!(殺破狼2)での所長、イップ・マン 継承(葉問3)でのチョン等、近年その実力をあらゆる場で発揮している“マックス・チャン”の初主演作。
金髪を携えた存在感、いつもと一味違う彼の奮闘っぷりが楽しい作品です。

冒頭の赤と緑の照明で照らされる戦闘模様や、中盤の駐車場タイマン等は非常に見応えがありましたが、終盤の荒れ狂う海を舞台に船で展開される戦いは少々間延びした印象。
シチュエーション的には結構好みだったのですが、如何せん長ったらしく感じてしまいました。

また、ストーリー通しての主人公のハードボイルドに徹する立ち位置、相棒の裏切り、敵対するボスの複雑な事情が明かされていくのですが、どれも上手く掘り下げていない中途半端さが目に付いてしまい、キャラへの味付けとしても物足りなさが滲み出ていたのが惜しいです。

結局のところ、人は金に目が眩むと簡単に人間関係を裏切る、しかし金がないと子どもを堕ろす事になったり自分の人生を覆せない…という人間の業を描きたかったのでしょうか。
全編通して金塊を巡る、それぞれの思惑が動いていた作品でしたので、各キャラの群像劇として描きたかったのでしょうが、やはりキャラクターへの掘り下げや人間関係における補足がいい加減なため、主人公以外にあまり感情移入出来なかったのは痛手でした。
勿論、お目当てのアクション面は凄かったので見て損はしていないのですが…。

あ、そういえば倉田保昭さんが出ていたのに驚きました。
“牙狼<GARO> 闇を照らす者”でのアクション、また見たいなと思いつつももう歳が歳なだけに厳しいでしょうか…?