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ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間のorangeのレビュー・感想・評価

3.5
スタジオポノックの短編3本。

米林宏昌監督『カニーニとカニーノ』(18分)
川のなかで暮らすカニーニとカニーノ兄弟(兄妹だと思ってたら両方男の子だって)のお話。
うーんジブリっぽい。水の流れとかのアニメーション表現を楽しむ作品なのかな。安心感はあるけど新規性はなくて特に心を揺さぶられないなぁ……と思っていたら後半の巨大魚シーンで俄然持ってかれた。良いデザインだ。
蟹の擬人化だと思ってたら途中で普通の蟹も出てきたのでちょっと混乱したが、たぶんカニーニたちだけが擬人化表現されてるだけだと思う。
個人的にはもうジブリっぽさから離れてもいいと思うんだけどなあ……。マーニーが好きなので米林監督応援してるんですよね。

 百瀬義行監督『サムライエッグ』(16分)
卵アレルギーの子供の話。
社会派?アニメでこういうの見たの意外と初めてかも。見ているうちにどんどんシリアスモードになってしまったが、階段を駆け下りるシーンなどのアニメ表現はよかった。
イラストっぽい柔らかい絵柄とのバランスも◯

 山下明彦監督『透明人間』(13分)
透明人間というのはたぶん比喩で、廻りから軽く扱われる存在感の稀薄な人、なんだと思う。そうすると身体が浮いてしまうのは……と思ったがパンフを読むとこの解釈で合っているようだ。
ラストに少し希望が見える、個人的にはよく馴染みのある系統の話だった。
透明の表現身体がどんどん浮いていく表現等の見所もあり、3作の中で順番をつけるならこれがいちばんよかったかなあ。
音楽中田ヤスタカが違和感なくはまっている。もうちょっと尖っていてほしかったかな。

OP、EDにポノックのテーマ曲(木村カエラ、苦手だー)が作り込んであるので今後もやる予定なのかな?

ところでこれ、公開初週の週末に見たのにあまりに人が入ってなくて心配になってしまった。
クオリティもそれなりに満足できるし1時間程度で気軽に観れて料金も安いのでみんなもっと観て欲しいです。
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