縞

キャメロット・ガーデンの少女の縞のレビュー・感想・評価

3.8
昔に観たときは、少女の見ている孤独な世界に共感しながら観た記憶があるけど、今観てみると青年の心情に共感せざるを得ない。
かたや、ありていの欲と見栄に虚飾された世界で生きる人キャメロット・ガーデンの住人と、想像と叶わない夢を持った少女と青年。少女は病気のせいで同年代の子供たちとは考え方も違うし、そのせいで人への距離感とか接し方が普通とは違う。両親でさえ、少女を物の様に扱い、形だけのいい子を強要する。でも青年は少女に何も強要しない。むしろ、一緒に付き合ってくれる優しい人物で。
この青年演じるサム・ロックウェルがほんとに素敵で。屈辱に怒ってもどうにも出来ない悲しみを湛えた目と優しく微笑む目が全然違う!
ミーシャ・バートンも少女の不安定な感じを上手く表現している。
脚本が繊細すぎて、頭を使わないと読み解けない物語ではあるのですが、この主演二人を観るだけでも価値ある映画。
ラストは物悲しくも、おとぎ話のような、一枚の絵になるような美しさで私は好きです。
縞