まーさん

止められるか、俺たちをのまーさんのネタバレレビュー・内容・結末

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

わかる、と思ってしまう。映画の世界で女を捨てて自分を削りながら没頭して、大変なことばかりでも周りから存在を認められて、でもやはりどうしようもなく一人の女であることに直面して、その先のイメージが持てなくなったりして、なんかもう、この夢みたいな世界でずっと生きていたいなあ、って思ってしまう時が。物語に引っ張られてしまう時が。現実世界はいつだってつらい。若松監督のこの時代も、映画人が考えていたことは変わらないと思うと、じゃあ、世界はいつ変わるの?と思ってしまう。でも同時に、それが希望でもある。そうか、あの憧れの人たちも、同じように悩みながら生きていたのか、という希望。
だから映画なのだ。どんなに時代が変わろうと人間の考えることは同じ。時を越えて共感し、その過去の延長に私たちが存在していることを。そして次の世代へ何かを繋ぐ可能性を教えてくれる。

その渦中にいたと振り返ると、ゾワゾワする。近くにいたのだ、この人たちが。ガイラさん…カレーのおっちゃんじゃなかった。かっこよすぎ。ブラのあのテーブルで、映画人たちが語り合っていた、その渦中に、同じ空気を吸えたことに改めて感謝するとともに、じゃあ、てめえは何が出来る?と、また前を向く指針を映画からもらった。
まーさん

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