ゆうさく

若おかみは小学生!のゆうさくのレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
5.0
超絶大傑作を期待したら傑作だったという贅沢なモヤモヤ感。それでも傑作は傑作。

幽霊に対してこれをいうのはヘンだけどそれでも伝わってくる彼らの生命力。そして負けん気溢れるおっこを自然と応援したくなる。

グローリーさんとの買い物シーンは流れる曲のポップさも合わさり非常に楽しい一幕。若おかみ七変化に観てるこっちもニッコリ。

1つ1つの芝居が丁寧で観ていて気持ちが良い。歩き方1つとってもそのこだわりが感じられる。

ただ終盤不満も。幽霊との別れへの過程が物語に上手く機能していたのかという疑問がまず1つ。そして「春の屋客に気を遣わせてる問題」にクライマックスで上手く回答して欲しかったのだが、例の事故相手への対応がその回答として不十分だったと思ってしまった。もうあの時の幼い娘ではなく立派な若おかみです、ってのがなんとも春の屋側の自己満足に見えてしまったんだよな…

と、煮え切らない部分もありつつもイマジネーションに富んだ様々なシーンと共に描かれるおっこの成長と決別の物語は本当に素晴らしかった。素敵な作品をありがとうございます。



2020.5.16再見。
普通に超絶大傑作でしたごめんなさい。
シネフィル界隈がよく言及している、幽霊見えなくなり始める→ヘッドライトを幽霊と勘違い→車に轢かれそうになる→グローリーさんとサシで話す→「1人じゃない」、の流れが美し過ぎる。展開と演出が完全な調和を見せ場の設定が行われる気持ち良さよ。
なので幽霊との別れの過程はこれ以上ない程物語に対し機能してます。すみません。

客に気を使わせてる問題はもうそれで良いじゃんって感じ。それにあの父親も旅館に再び入るときにちゃんと笑顔になってることだし。
ゆうさく

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