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若おかみは小学生!のNAOZYのレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
4.7
昨日は映画館で「若おかみは小学生」を観る。
公開から一ヶ月が経ち口コミでの評判で客足が伸びているようだ。ポスターを見ても子供向けアニメだろうと大人には敬遠されそうなのだが、俺が見ようと思ったのは監督が高坂希太郎さんだったから。ジブリで「もののけ姫」などの作画監督を担当したトップアニメーターであり、「茄子アンダルシアの夏」という自転車アニメの監督もしている。あれから15年たって今度は温泉宿を舞台にしたアニメを作ったのだ。
その前にテレビアニメも制作されており、スタジオがマッドハウスで主人公の声も一緒なのだが、この劇場版は作画レベルが違います。
長年ジブリを支えてきたベテランアニメーターだけあって、キャラクターのハツラツとした動きが往年の宮崎アニメ(ジブリ以前)を彷彿とさせる。
これだけでも観る価値があるのだが、シナリオも吉田玲子さんが担当していて、主人公おっこの成長物語を淀みなく紡いでいる。
交通事故で両親を失い祖母の旅館で働くことになった主人公おっこはどんなお客様でも受け入れる宿として健気にお客をもてなすことに奮闘していく。後半のクライマックスはおっこにとって残酷な選択が迫られ両親への想いと女将としての使命の板挟みにあう。この場面になると隣に座っていた小学生くらいの女の子が泣き出して隣の母親にしがみついていた。うーん、わかるよその気持ち。
小学生が主人公だからといって侮るなかれ。大人の鑑賞にも耐えうる今年ナンバー1の傑作でしょう。
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