クマヒロ

若おかみは小学生!のクマヒロのレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
4.3
評判が高いのがわかる。とにかく良い。
子供向けアニメでありながら、誰もが感動できるものに。何度も涙腺が緩んだ。

小学生のおっこが両親の死に伴い、旅館の若おかみとしておかみである祖母のもとで働き始める成長譚。

子供でも大人でも楽しめる工夫が多く、メッセージ性も非常に強かった。

会話のテンポ感や、コミカルな要素、音楽や場面の構成等のエンターテイメント性の高さは非常に楽しく、子供でも見やすい映画になっている。
生と死について考えさせられる作品を子供向けのエンターテイメントに仕上げたことがまず素晴らしい。

大人でも楽しめる1番の驚きの点としては、おっこがいつかは対峙しなくてはならなかった自分の人生にとって1番の敵とも言える存在との対峙。
ここを映し出すことはおっこのの成長にとっては確かに欠かせない。

何事も飲み込み、頭の中、夢の中では現実から逃げ出してきたおっこが現実に両親の死と対峙した時の涙は本当に辛かった。
無理しなくて良い。受け止めて泣く強さもおっこは最後に手に入れたのだと思う。

主要登場人物一人一人が、死やそれに準ずるものの経験があり、おっこという存在がそれを救っていく。
おっこ自身も成長していく。
生と死について向き合い、それを乗り越えさせてくれる。

胸に刺さるシーンも多数あり、心がじんわりと暖かくなるような作品だった。
藤原さくらさんの主題歌もバッチリ。
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