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バーフバリ 王の凱旋 ≪完全版【オリジナル・テルグ語版】≫のhiのレビュー・感想・評価

4.3
インターナショナル版をしばらく前に見て、今回完全版を。
追加されたシーンはもちろん、終始見どころに溢れていて、高い満足感を得られる至高のエンタメ映画である。

物語の見せ方が本当に上手くて引き込まれる。
例えばシヴァガミというキャラクター1人に関しても丁寧な奥行きが与えられている。彼女は前作の冒頭で善き行いをし死亡しているので、過去の話である本作で犯す間違いの描写にもストレスが少ない。彼女は己の実子よりも、民に愛される甥を王にする。客観的に政治を行える切れ者でありながらも、やはり実子に対して多少の罪悪感を持っておりバラーに甘くなる部分も持っている。完全無欠のリーダーの中にも存在する人間臭さに、非常に親しみを覚える。
王位に執着する人生を送る哀れなバラーラデーヴァ、小心者から立派な勇者となるクマラ、全てに物怖じせず信念を貫くデーヴァセーナ、……彼ら全員を好きになってしまう魅力が本作にはある。

冒頭のアマレンドラを讃える歌が大好き。本作ではバーフバリが活躍するシーンでそのフレーズが何度もかかるので嬉しい。バーフバリはバーフバリであるだけで、王でなくても国にいなくても死んでさえいても民から愛される存在であるのが、神話的で美しい。

父親アマレンドラの物語あってこそではあるが、その分マヘンドラやアヴァンティカの活躍が少ないのはやや残念ではある。
もっとマヘンドラのその後が知りたいが、エンドロールの親子の会話がこの結末に深みを与えているように思う。
良王バーフバリの治世ですら諸行無常の理の中にあるのだとしても、その英雄の伝説はいつまでも語り継がれるだろう。
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