ハンスウ

パラム パラム パラムのハンスウのレビュー・感想・評価

パラム パラム パラム(2018年製作の映画)
4.0
昨日に続いてイ・ビョンホン監督作品です。この監督の長編作品で、これだけリメイクみたいです。一般的には興行的にも作品的にも失敗作と見られているようです。不倫を扱ってるので確かに共感を得るのは厳しい作品ではあると思います。でも私は大変気に入りました。

昨日見た「二十歳」は文字通り二十歳の若者たちの話だったけど、本作は大人要素満載のゆるゆるコメディでした。コメディと言っても笑えるシーンはだいぶ少なくなってます。それが批判される一つの理由らしいです。でもこの監督が作る空気やコメディタッチは観ていられるんですよね。今作では途中で人が死ぬんだけど、それでもコメディタッチ保っていられるというのはこの監督の技だと思います。セリフのないシーンとかでもおもしろく観れるとこがあったり、あとは基本的に愛があるんですよね。私が勝手にそう思ってるだけですけど人間愛が根底にあるような気がします。

もう、みんな浮気するんだけど、それでいくらでも泥沼展開にして人間の愚かさや薄汚さを描くこともできるはずなんだけど、そうはならず、最低のギリギリのところを保って丸く収めようとする。それは一見、浮気してる者同士の都合の良さでもあるんだけど、人間賛歌でもあるんじゃないか、いや、さすがにそれは美化しすぎかもしれないけど、でも、これからも顔をつきあわせて生きていくために必要な一種の知恵でもあるような……。そんな風に思いました。
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