『アンダーザシルバーレイク』と同年ということもあり比較は避けられないところで、驚くべきことにほとんど一致する瞬間すらあるが、それよりもパッケージとしてはインヒアレントヴァイス性の高さを推したい。単純にマリファナ吸うからっていうだけじゃなく、空白の中心になる役どころに強烈な新顔をキャスティングしたり、温室モチーフ、腕時計はシャスタの貝ネックレスに相当、過去への旅路……果てには車で悪天候の中をいくよ。そのまま考えていくとロンググッドバイ性がみえてきて、ということは村上春樹に帰ってくる。ここまで最小限にして、現代の韓国を撮ったとしてもこんなに出来上がるんだからちょっと感動する。自分ではっきり「メタファーだよ」って言っちゃうのどうなのっていう『聖なる鹿殺し』でもみたことある光景も、可愛げ。スティーヴンユァンがときどき囲碁将棋根建。