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ビリーブ 未来への大逆転のFukoのネタバレレビュー・内容・結末

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

今日「ヴァイス」を観たので、多少感想も変わってしまったかも知れない。
実在の人物の映画化が多い中、ER などをコツコツ演出していた懐かしいミミ・レイダー監督作。
立派な人物を立派に描いた良作だと思う。
こういう人たちの地道な努力で世の中は少しずつでも悪い方に向かっていくのを必死に防いでいるのだと尊敬の念を否めない。世の中を少しでも良くしたいと映画を作る人々はすごいし、最後にほんの少し登場する実在の、今は最高裁判事?の女性のなんと清々しく美しいことか。
ストーリーには、だから非の打ち所がない。
ただ映画として見た場合、例えば今日観たヴァイスと比べてしまうと映画的ダイナミズムに欠けた印象を受けてしまう。
ある人物の描き方が単純なのだ。
アーミー・ハマーのような完璧な夫に。
多少反抗するものの立派に育つ娘。
家に帰っても机のむこうとこっちで書類を広げて仕事をする理想的な夫婦像。
お見事。

彼女たちの努力から50年。
やっとセクハラ問題が表沙汰になり、
多くの権力を持った男達が糾弾されている。その影で風評被害で人生をめちゃくちゃにされる人たちもいる。正義とはなんと複雑なものか。
ここ日本に舞台を移せば憲法にうたわれる全ての人権は守られているなどと誰が言えるだろうか?
ある国では不倫、同性愛は石打ちの死刑だと平然と言ってのける。それがあれから50年経った今の世界なのだから。
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