れおん

ジュディ 虹の彼方にのれおんのレビュー・感想・評価

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
3.8
代表作として、「オズの魔法使」などがある、ミュージカル女優のジュディ・ガーランドの半生を描く。幼き頃から別世界で生きる彼女の様々な葛藤。そして、47歳と若くして亡くなったとき、彼女は人生に何を感じていたのか。その一つの答えとなる、亡くなる半年前のロンドン公演が忠実に蘇る。

アカデミー賞でもゴールデングローブ賞でも最優秀主演女優賞を受賞したレニー・ゼルウィガー。納得のいく素晴らしい演技を魅せていた。ジュディ・ガーランドの考え方、生き方、感じ方、彼女のあらゆる感情に結びつく言動や行動が本人さながら伝わってきた。ラストのロンドン公演のシーンでは、心が動かされるほど魅了された。

伝記映画としても、中身のある、そして展開も飽きない作り。事実だけではなく、彼女の人となりもしっかりと描かれている。ボヘミアン・ラプソディのようなエンターテイメント性には欠けるものの、真っ直ぐな描き方にも工夫がなされていて、とても見やすい作りになっている。

自分を犠牲にしても、自分の子供を愛する姿。その母親姿はかっこよかった。どんなに自分が壊れていっても子供を守ろうとする。子供だけを信じて生きた彼女が、最後に知った、新たな愛のかたちとは。
れおん

れおん