だま

私は、マリア・カラスのだまのレビュー・感想・評価

私は、マリア・カラス(2017年製作の映画)
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スクリーン越しでも鳥肌が立つ程の歌声。生で聴いたらどれだけ素晴らしかった事だろう。気高く愛情深く繊細で孤独。そんな彼女の姿が浮き彫りになる映像の数々。人生における苦悩の深さが彼女の輝きを際立たせる。あの類まれな表現力はその苦悩によって磨き上げられたのか。

カラスが自分の衰えを感じ始めてからの焦りや不安が見ていて辛い。人間の身体を楽器とする声楽はどうしても筋力なんかの衰えに影響されるし。難役を演じ続けて喉を酷使した影響もあっただろう。それでも死の直前まで現状の自分にあった発声法を模索していたというカラスの歌への情熱に涙が溢れた。
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