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私は、マリア・カラスのwantaroのレビュー・感想・評価

私は、マリア・カラス(2017年製作の映画)
3.6
子供の頃聞いていたカルメンがたまたまマリアカラスだった。オペラが好きなわけではなかったけれど、子供心にカルメンの魅力に憧れたものだった。
大人になって、他のカルメンを聞いたら…まるで別物だった。私にとってマリアカラス以外のカルメンはカルメンじゃないらしい。
私は音感はひどいし、歌の技術のことも分からない。
それでもその「演じる」能力のせいか、歌に現れている人間臭さのせいなのか、彼女はスペシャルだ。
色んな音楽を聴くようになった今も、ただ上手いオペラ歌手では満足できない。
まさか彼女が自分の生まれる前に亡くなっていたなんて知らなかった。

心身の不調や激しい恋愛も取り上げられている。天才で優秀で唯一無二のスーパースターは、多分本当は誰よりも繊細で脆い部分があったのかもしれない。
あの強そうな顔とゴージャスな衣装やヘアメイクにジュエリー、まるでガラスの薔薇。

「レジェンドって何?彼らが私をそうしたのよ」
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