wantaroさんの映画レビュー・感想・評価

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レディ・マクベス(2016年製作の映画)

3.7

時代の変遷を実感する。昔の英国でも、使用人はもちろん、女も馬のように取引の結婚をさせられる。嫁がされた少女が受ける仕打ちはこの映画の通り、屈辱的であり孤独だ。
抑圧された日々の中、見出してしまった光は
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RRR(2022年製作の映画)

3.3

久しぶりに映画で「インターバル」を見た。約3時間に及ぶ2人の男の闘い。暴力シーンが多いので見づらかった。古いManlyさの目立つ作品。男は諦めず信じて孤独にも逆境にも耐えて戦い抜く!みたいな。
ナート
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マーターズ(2007年製作の映画)

3.5

序盤から最後まで血と暴力に覆われている。痛みの果てに恍惚を得ると殉教らしい。
単なる暴力ではなくて、拷問の限りを(しかも想像を超えたひどさの)尽くし続ける様子が続く。だんだんと正気を失っていく様をちゃ
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.9

映像や音楽、キャラクター構成から、出だしはドラン映画みたい。美しい男と陰キャ男子の話かと思ったらとんでもなかった。
夏休みに大豪邸へお邪魔するところから、主人公の気持ち悪さが花開いてくる。
自信がなく
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.4

子供が冒険する映画なのかと思ったら、静かなほっこりムービーだった。
感情部分を「ああ悲しい!ああ寂しい!」って描かないのがいい。
映像から物事を読み取ることが苦手なので、最後の方まで普通のお友達なのか
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ストーリー・オブ・マイ・ワイフ(2021年製作の映画)

3.5

レアセドゥファンなので鑑賞!本作ではひたすら美しく妖艶で、それでいて無邪気さのある運命の女を演じていた。
ものすごく強い想いが人を狂わせるの、分かるけど…こんなに長々とかける必要はあったのか。テンポは
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.3

バーンスタインのファンなので鑑賞。ブラッドリークーパーが似てて(しかもイケメンで)寄せ方に驚いた。
それはそうと、バーンスタインの音楽とのつながりではなく、私生活、特に妻との人生を描いた映画だった。
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デリシュ!(2021年製作の映画)

3.5

気軽に見られて、美味しそうな食べ物に心奪われる映画。きれいな田舎の風景にも癒される。
非現実的なあれこれは無視して、雰囲気を楽しめたら十分。
疲れている時にぼーっと見るが吉。

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.7

予算の大きいテレビドラマみたいだった。
俳優さんたちの演技はよかったし、北川景子さんて女優産なんだなあとようやく知った。
けれどもどうも視点が独りよがりというか、一部からしかものを(あえて)見ていない
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生まれてよかった(2020年製作の映画)

3.3

私も多汗症なのでつい見てみた。多汗症によって受ける精神的苦労はわかる。
しかしこの映画難しい。
分裂させたり、やたらオシャレなシーンとか入れなくてよかったんじゃないかとも思う。
自己肯定感の低い女性が
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.6

元反社で殺人罪で服役し、刑期を終えて出てきたはよいが、そのような経歴の者に再スタートは困難の道だ。
本人のカッとなりやすい性格もあって、なかなか物事はまっすぐ前へは向かわない。
受刑者が裁判で刑務所に
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.5

本来なら、人種の優劣なんかじゃなくて、勉学や友人との触れ合いを学ぶ時期の子供。
そんな小さい子が空想のお友達がヒットラーなの、面白いけど切ないよね。
身の回りの常識が戦争基準なんだもん。

全体がポッ
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オットーという男(2022年製作の映画)

3.5

冒頭からものすごい既視感…「幸せなひとりぼっち」のリメイクだった。
いくらトムハンクスが魅せる俳優でも、なんかこう新しくなかった。トムハンクスの方が嫌なやつ感少なかったような。
偏屈な老害だけど、求め
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.8

男たちに騙されていた、なんならモノのように暴力を振るわれていた。
これは許すの?戦うの?見限るの?
この舞台とこの内容でなくても考えさせられる3択にドキッとする。
心に残ったのが「女がいなければ男たち
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.4

ケイトブランシェットが鬼の熱演。
私の好きなマーラーに傾倒した指揮者という肩書きでもっと音楽を聴けるかと思いきや、音楽の映画ではなかった。

リディアが肉体的に女でなく、普通のおじさんだったら、この映
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

3.6

収容所モノだから、もっと重々しいのかと思いきや、序盤から基本的に見やすくて明るい(後から重くなる)
戦争や人種の重さよりも、ダンスが人の心をつなげるという部分ところの比重がとても高いため、とにかくダン
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.7

ディオールがオートクチュールだけだった時代、どうしてもドレスに憧れてパリへ…

主人公は一見ちょっとウザいおばさんだけど、ポジティブパワーで突き進む姿に力をもらえた。また、年齢は関係なくドレスというの
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

ひたすらに感謝、このジャーナリストたちの熱意と献身に。そして声を上げてくれた女性たちに。そしてさらにその功績を映画にしてくれたことに。

「なんでもセクハラだと言われる」などと男性から嫌味を言われるこ
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

patriarchyって英単語をこれで覚えたぞ!

さて、冒頭から「2001年宇宙の〜」のパクリをまさかのバービーでやるとは思わず笑いました。元ネタが分からなくても笑うと思います。

基本的にずっと笑
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.6

見終わって気づいたけど好きな監督じゃないか…
人喰いという設定だからもっとエンタメ要素なのかと思いきや、もっと人間の本質の部分の生々しい愛や孤独を「食べる」という生命力そのものの行為で表現するという斬
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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

3.5

この独特な画質や撮り方?それだけで薄気味悪い〜!
特に必要ないものをズームにしたり、音を入れたり、不快指数を上げてくるから
ホラーじゃないのにホラーみたいな緊張感がある。
人の嫌悪感をちょうどよく突い
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キングダム(2019年製作の映画)

3.0

漫画を読んで非常に面白かった。友達に実写を勧められて、気が進まないも、見てみた。
超豪華キャストに、迫力のあるカメラワークやアングル、CGは予算の大きさを感じた。
それでもやっぱり、原作が好きだととて
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

今までのジブリの作品によるエレクトリカルパレード。
あ、あれのあれだ!あの人だ!あの表現だ!あの背景だ!のオンパレード。
今まですごいことをたくさん積み上げてきたんだよなあ、今までありがとう。と思うば
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.0

万引き家族感…と思ったら監督同じー!

テーマ変えてあの感じをまたやってるみたいに見えてしまう。
こちらの方が「命」に関わる分だけ現実味が感じられず、生ぬるいカオスを傍観して終わった。
個人的に音楽の
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

気になり続けていたけど、アイスランド語はちょっと…評価もいまいちだし…と後回しにしていた。でも気になるので鑑賞。

不気味なほど神秘的な大自然と、羊たちの意味ありげな長回しに惹きつけられる。
絶対何も
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チケット・トゥ・パラダイス(2022年製作の映画)

3.0

安定感のあるエンタメムービー。美しいバリの海と緑に癒され、ゴージャスなホテルやおしゃれなリゾートウェアを羨む。
そんなバリ観光映画。
結婚について浅めに考えるくらいの内容。
キャストの豪華さもあり、セ
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.3

カロライナの美しい湿地と生物を堪能できるナショナルジオグラフィックのような作品に、人間ドラマとラブストーリーと法廷ドラマとポカホンタスを足した映画。
本当に美しい自然は見ていて飽きないし、女優さんの服
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犬王(2021年製作の映画)

2.3

序盤から中盤までは、和楽器と語り唄いと和風の絵柄で進み、日本らしい気味悪さもあって、ふむふむと見ていたのだが
途中からハードロックフェス映画に急変。
パート1とパート2くらい差があって、陳腐な歌詞と「
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パリの調香師 しあわせの香りを探して(2019年製作の映画)

3.7

あらすじには「気難しくわがままな」とあるけれど、不器用でシャイに見えるアンヌと、優しくてざっくりしたギョームのやりとりがとてもほっこりする。
人は微妙な心のバランスを保ちながら生きているんだなと実感。
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ジョーンズタウン集団自殺 -偽りの死の楽園-(2018年製作の映画)

3.6

差別のないユートピアを目指すと、弱者を集めたカルト教団。これだけのコミュニティが出来上がるのも、いつでもどこでも助けを求めている人がたくさんいるんだなと切なくなる。
集団自殺というけれど、実質他殺みた
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Summer of 85(2020年製作の映画)

3.9

ロケ地が美しいことよ…なんと美しいことよ…ずるい!エメラルドグリーンのビーチ、見飽きません。
そして最初はちょっとクセが強すぎに見えるダヴィド、主人公から見た美化もあって、どんどん色香の塊に見えてきま
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.8

王道サイコパス/歪んだ人格もの。しっかり作られていて見入るし、チャチな部分がなく何度も冷や汗をかかされるし、見ごたえがあった。
母親の背中(シャワーシーンで映る)のムチの形跡から、この人がかなり歪んだ
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.0

淡々と絶望的な子供の表情と立場を見せ、胸を重くさせる。
だが無理に胸糞に盛ったりしていないところが良かった。

移民や難民の身分証がない問題、児童労働や若年結婚の問題など、レバノンの(その時点での)問
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.7

シリアスなドキュメンタリーなのかと思っていたら
(問題提起型映画ではあるものの)コメディ映画だった。

ゾウかカバみたいなスーパーピッグ(なお、超賢い)と少女の微笑ましいフレンドシップからの…

何も
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エルヴィス(2022年製作の映画)

2.0

プレスリーはほぼ知らずに鑑賞。
ピンクを中心に、パステルカラーがふんだんに使われた画面が美しく、すべての画面が「映える」が、印象に残るシーンや台詞はなかった。
バズラーマン監督らしい進め方と画面で最初
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トゥルーノース(2020年製作の映画)

3.6

恐ろしかった、辛かった。
グロくならないような質感のアニメとはいえ、理不尽な暴力や拷問や人権のなさに救いがない。
こういう世界がほぼリアルに存在することが信じられないけれど、見ないようにしているだけな
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