マッスルゾンビinウエスタン

イップ・マン外伝 マスターZのマッスルゾンビinウエスタンのレビュー・感想・評価

3.8
ドニー・イェン主演の「イップ・マン」3部作で最後の敵となったチョン・ティンチ。他の敵はストレートな悪役だったのに対し、善と悪を行き来しながら悩む彼の姿は魅力的で、スピンオフもなるほどと行った所。

イップ・マンと同じ詠春拳を使い、腕前も師範クラス。しかし決定的な差は「心」の強さかもしれません。
敗北を経て詠春拳は捨てたといいながらも結局使ってたり、「やられたらやり返す」性質だったり。でも、このダーティさも魅力なんです。(というかイップ・マンが聖人すぎる)

そんな彼が事件に巻き込まれ、仲間を失い、家族のために再び詠春拳の使い手として戦いに挑む。イップ・マンに負けた自分には何か足りなかったのか理解し、新たな一歩を踏み出した彼の姿は、まさに新時代のカンフーヒーローと言えるでしょう。

彼に対する敵もまさかのキャスティング。GotGのドラックスでお馴染みデイブ・バウティスタがとにかく強い&怖い。表の顔は紳士、裏の顔は残虐に人を殴り殺す危険人物で、屈強な肉体はどんな技も無効化し、圧倒的なパワーで相手を粉砕してしまう。これ格ゲーのキャラですか?
そしてもう一人。マックス・チャンとの親交もある最強のムエタイマスター、トニー・ジャー。謎の暗殺者として意味深に登場してティンチと戦い、意味深な退場をした彼は、次作への布石だと期待して良いんですよね?

イップ・マンと比べるとよりライトでエンタメ色が強くなった今作。ストーリー上で未回収の部分もあるので、次作が作られることを期待しています!