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幸福なラザロのfukaのレビュー・感想・評価

幸福なラザロ(2018年製作の映画)
3.8
なんか歯がゆい気分、観るタイミングは今じゃなかったかもしれない。

小作人の共同体が解体され都市に投げ出されホームレスのような生活を送っている姿、働かない者には人権がない都市の生活、欲にまみれた人間、多分色々と目の付け所と考えるべき点があったんだと思う。
けど、欲のないラザロの純朴さが、あの目が、得体の知れない不気味さと、触れてはいけないような雰囲気を醸し出していた、そのことだけが頭に残っている。

聖書に精通していたらそれはそれで面白いんだろうけど、多分そうじゃない状態で観ることができるというのも価値だと思った。無知の状態でこの映画を観て何を感じられるか、な気がする。
他の人の感想・解説を読んで、聖書がベースなんだ、ラザロはまさに聖人を表しているんだ、あのシーンはこういうことか、みたいなのがわかったけど、あまりに知りすぎているとただの答え合わせになってしまうし映画が陳腐に感じてしまうのかもなぁ

あと前半の農村の映像が綺麗だったな。空の青さと雑草の素朴な色がとても映えていた。再現度もめちゃくちゃ高い。

もやもやするからいつかまた観たいな
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