【まとめシネマ】#315
【まとめ】
* 超社会派を振り切るコメディ
* あの数分間のラストに尽きる
* 今だからこそ観るべき情報
本作は1970年代のアメリカで黒人警官が白人至上主義団体(KKK)に潜入捜査をする異色かつかなり濃厚な社会派テーマを扱っている。
少しでも伝えたいことがズレると危険なテーマだが、コメディの部分はしっかりしている。特にKKKに電話をするシーンはテーマを振り切った馬鹿馬鹿しさ!
本作で印象に残っているシーンは、あの数分間のラスト。
エンドロール前の数分間は「映画」というフィクションの世界から一気に現実に戻される確かな事実。あの数分間を見れただけでこの映画を観てよかったと思える。
この映画を見る前にテレビ東京系列の番組「 ハイパーハードボイルドグルメリポート」で白人至上主義団体(KKK)と黒人政治組織(新ブラックパンサー党)を扱った内容を見ていたので、本作が伝えたいアメリカの現状を違和感なく伝わった。
だが、本作を予備知識なしで観ると過激なテーマや映画というコンテンツから他人事のように思う時もある。しかし、本作で扱う争いは半世紀以上も続き、近年その勢いがアメリカの社会現象になっている事実だということを改めて噛み締めて、観るべき。
本作は今だからこそ観てほしいドキュメンタリーだ。