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ブラック・クランズマンの4747のレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.8
舞台は1980年代のアメリカ、コロラドスプリングス。当時のアメリカは連邦保険の破綻が発端となり失業率は上昇、極度のインフレに陥っていた。
そんな中、黒人のロン・ストーロワース(ジョン・デビッド・ワシントン)は大学を卒業し、同州初の黒人警官になり、自分の人種を活かした、潜入捜査を志願する。情報調査部に移動した彼は、相棒のフィリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)と、世にも奇妙な潜入捜査を行うことに…。

スパイク・リー監督らしく、社会問題がこれでもかと入っている作品。
同時期に公開されたグリーンブックもマイノリティへの差別を扱っているため、比較されがちだが、本作とグリーンブックでは訴えているテーマが異なると感じた。グリーンブックでは差別そのものを悪としているのに対して、本作では差別から生じる軋轢や争い、そして憎しみを描いていると感じた。

ラストシーンでロンの家を叩く謎の人物。その後のKKKによる十字架焼き。そしてドキュメント映像で墓標に携えられた「憎しみに居場所なし」の言葉。
色々と考えさせられた…。

ブラックパワーにしろ、ホワイトパワーにしろ、同一思想だけを集めた組織はやがて暴力的な考えになることが分かる。

違和感を覚えたのは、潜入捜査の後のシーン、ロンもフィリップも彼らが暴徒になるわけが無いと一蹴していた。その組織の一員にならなければ分からない、空気があるのだと思う。怒りは持続しないが、それを歪んだ正義に昇華させることでテロや大量殺人が怒るのだと思う。

この映画のKKKの人々は貧しく学がない白人が多く、今のトランプ支持者と同じだなと思っていたら、最後のドキュメント映画に繋がっていた。
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