味コスモ

ブラック・クランズマンの味コスモのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.0
最後のフッテージの衝撃を超える場面が劇中にあるかというとないわけで、「ない」ということがこの作品の批評性の最たるものだとしたら、「映画」をつくることってなんなのさ。

ドラマを通じてできた観客の想像力の余白に強烈なメッセージを刷り込むこの作品のやり方、闘い方を、理屈はわかっても素直に受け入れられるわけがない。劇中で抵抗しようとしたものを反転したつもりかもしれないけど、それが「映画の罪」を「映画の可能性」に転換するような仕掛けになっているとは到底思えない。

現実はこれほどまでに切迫している、闘い方を選んでいられるか、これが俺の闘い方だ、というんなら、それはそうなんでしょう。ただ、この感じでは、闘っている相手はもちろん、当事者の外側のもっとずっと遠くにいる人までうっかり届くということはないでしょうね。
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