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ブラック・クランズマンのminyamooomのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.5
アカデミー賞のときからずっと気になっていたブラッククランズマン、やっとレンタル開始で鑑賞。アダムドライバーが好き。

そもそもスパイクリー監督作品はマルコムX、インサイドマンくらいしかみたことなくて、どんな人かほとんど知らなかったんだけども、アカデミー賞授賞式のときの怪しい占い師みたいな変なおじさんがスパイクリーだと知った時はかなり驚いた。名前からもっとイケメンを想像していた。

今作は、新人黒人警察官のアフロが、白人至上主義団体、クークラックスクランに潜入捜査するハラハラドキドキ?の割にライトな刑事サスペンス物。

KKKの存在を初めて知ったのも何かの映画なんだけど(アメリカンヒストリーXとかだったかなぁ…)三角白頭巾をかぶった白人至上主義の秘密結社があると知ってちょっと調べたけど、怪しい宗教団体かな、くらいにしか理解してなかった。

見ていて一番気になったのは、潜入するのはアダムドライバー演じる白人警察官のフリップで、電話対応はアフロ黒人のロン。職場も一緒で特にフリップに問題があるとかいうわけではないんだから、最初からフリップが電話対応すればよくない…?口が上手いから、てこと?でも結局実際に潜入して話したり気に入られたりするようにがんばるのはフリップなわけだし、電話対応をアフロがやってる意味が今ひとつない。ただそこをフリップがやっちゃうと、白人警察官がKKKに潜入捜査する、てだけのなんの面白みもない映画になってしまうからなんだろうか。
結果的に窮地に陥りそうになる場面はアフロが電話にでてるとこだったりしたわけで、(フリップがユダヤ人なとこもアレだったけど)それが終始気になってしまった。ロンが黒人的な話し方と白人的な話し方に工夫しているような感じもなかったし。

でもあれだね、当たり前なんだけど、黒人は見るからに黒人なんだけどユダヤ人って自己申告というか、見た目とかじゃわかんないもんなんだね?戦場のピアニストみたときはだいたい顔で分かるもんなのかなと思ってたんだけど…ユダヤ人的な顔、てあるもんなんだろうか。


ホワイトアメリカ!
ブラックアメリカ!

と声を上げて互いに憎しみを持ち対立する姿を、私はいわば中立の目線で見ることができるんだけども、これは白人が白人目線で見るのと、黒人が黒人目線で見るので全く違う感想になるんだろうなと思う。映画全体を通して、融和の方法を探す映画というよりはむしろ対立を煽っているだけのような印象もあった。ロンのキャラクターにあまり真剣味がなく、シリアスな社会風刺映画、という感じでもなくドキドキの刑事映画、という感じでもない、なんだか中途半端な印象。

黒人迫害の事件についての語り部のシーンや、ラストのドキュメント映像がなんだか浮いてしまっていて、ラストの映像はとくにそれ必要だったかなという感じ。

國民の創生、は見てみたいと思った。
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