「僕を産んだ罪」で両親を訴える。そう言った少年はたったの12歳。
まるでドキュメンタリーを見ているかのように重くけれど目を離せずあっという間の時間だった。
主人公である少年ゼインを演じたのは実際にシリア難民だったゼイン・アル・ラフィーアだ。幼いのに目つきも仕草も大人びていた理由はそこなのだろう。この作品を見てから、成長しノルウェーに移住した彼を見て環境の大切さを尚、実感した。
そして主人公ゼインをはじめ、多くの出演者は役と同じような境遇の演技未経験者を集めたこの作品。こんなに映画として必要な作品を久しぶりに観られた。観てよかった。
「育てられないなら子供を作るな、産むな」これはどこの国であろうとそう思うところだけれど実際にそうなってない現状。きっとそういう当事者こそこういう作品に触れることさえないのかと思うと苦しくなる。
いつかゼイン達のような子供が居なくなる世界を願う。