存在のない子供たちの作品情報・感想・評価

「存在のない子供たち」に投稿された感想・評価

ぶんず

ぶんずの感想・評価

4.6
「僕を産んだ罪で両親を訴えたい」
哀しげな瞳で訴える彼の姿を、ただ見ている事しか出来ない自分…。握り締める手に力が入る。鑑賞後、あまりの衝撃で心の奥にナイフが刺さったまま抜けない…。
ニュースで知れる事はほんのひと握り。私は映画で学ぶ事が多い。傑作🇱🇧

試写で頂いたプレスシートを読み改めて衝撃を受ける。この作品は嘘がないありのままの真実だった。遠い国での現実。想像を絶する理不尽な世界。でも対岸の火事ではないと思う。何も出来ない自分が歯痒い。偽善でも何でもいい少しでも…彼らに。まずは知ることから。
カンヌで万引き家族と争った映画と聞き、少し比較して見てしまった。
どちらが良い、とか悪いとかは決してないがとても似ていると感じた。2つに共通して言えるのは変えるのは大人ではなく子どもだということだと思う。
よく親のせいで、子供がかわいそうという意見を見るが、貧困においてはこれは言えないと思う。親もかつては貧しい子供で貧しさから抜け出せないだけなのではないか。
ゼインもちょっとついてなければ、いつの日か諦めて両親のようになるしかなかったはずだ。
この映画はフィクションだとわかっていても、世界のどこかにいるゼインに貧しさの連鎖から抜け出して当たり前に幸せになってくれることを願わずにはいられない
安琦

安琦の感想・評価

4.0
無知と諦めと社会構造の生み出す貧困の連鎖に移民、不法滞在、虐待、児童婚、複雑に絡み合う負の要素を子供の目が語る。フィクションの殻を被ったノンフィクションなんじゃないかと思う衝撃作。だけどフィクションの皮を被ったノンフィクションてのはあながち間違いでもなかった。いただいたプレスシートによると、出演者の方々は皆さん映画と似たような経験をしておられる。映画は上澄みだけかもしれないが、それでも充分衝撃的。現実を想像するだけで震える。わたしたちにできることは何だ?と見終わって考えた。注意深く見て聞いて考えて口に出すことか。
少年の歩んだ道と、未来が垣間見えるラストが秀逸。とにかく彼の目がいいです。語り、嘆き、怒り、あきらめ、それでも未来があることを忘れていない。
空丘令

空丘令の感想・評価

3.5
最速試写にて。

もう総てが冒頭シーンの『僕を産んだ罪』という一言に込められてる。
育てられないなら産むべきでない。
自分たちの快楽の為だけに子供を作るな。

貧民層の育児放棄や食事確保ができない問題は、月々数千円の寄付で解決することではない。

まずは子供たちが寝てる横でさえ性行する大人達から教育をしないと根本的解決にならない。

貧困、移民、不法就労、無戸籍、育児放棄、様々な問題を改めて考えさせられる作品。


とにかく少年の演技が本当に素晴らしい。
赤ちゃんが可愛い。

是非多くの人に観て欲しい。
12歳か13歳くらいの自分の誕生日も知らない少年が僕を産んだ罪で両親を訴える。
この年齢の子供にこう思わせてしまう環境が悪いのか、それとも愛情を与えられなかった両親が悪いのか、それとも両方かとても考えずにはいられない。
miku

mikuの感想・評価

3.0
「僕を産んだ罪で親を訴えたい」そんな事を12歳の子供に思わせてしまう環境が存在すること。胸が張り裂けてしまいそう。誰が悪いのか、親なのか?社会なのか?法律なのか?貧しさゆえなのか?ゼインはただ、愛されたかっただけ。誰にでもある愛される権利が欲しかった。


ほぼ初演技のキャストばかりとは思えない迫力と緊迫感があった。ゼインは可愛らしさの中に世の中への怒り両親への怒り妹への愛が表情に溢れ出ていて涙が止まらなかった
あ

あの感想・評価

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直視できないくらい胸が締め付けられてボロボロ泣いてしまった...途中悲しすぎて涙もでなくなった。
最初は主人公ゼインと同じように「育てられないなら子供を産むな」と思うけど、両親も似たような境遇で育って同じ道を辿っただけで貧しさから抜け出せない国の在り方がいけないのかもと思い始めたり
出生届が出されてないからこの世に存在していない人間 でも毎日必死に生きてる...まだ12.3歳の子供が学校にも通えず毎日働かされて日銭を稼ぎ両親からは罵りの言葉しかかけられず、「自分を産んだ罪」で両親を訴える...こんな辛いことがあっていいのかって冒頭から涙腺が...
万引き家族観た時も思ったけど、「家族」ってなんだろうなあとおもう
血が繋がってなくても家族のような愛情を持って暮らすこともできるし、血が繋がっていても生活していくのに必死で思いやりの欠片もなく暮らす家族も居る...
わたしは映画を観ていて結構台詞のない場面での、静かな表情や仕草だけでの演技というか、そういうところを観て感極まってしまう質で
12歳のゼインは見た目はまだ小学校低学年くらいにすら見えるけど、ふとした所作や表情が大人のそれで でも無邪気に笑った顔はまだ幼い子供なの
そういう大人びた表情や所作をするのは環境のせいだろうし、同じ年頃の子供が決して見せないであろう陰のある眼差しが凄く印象的でしたね...

身動きの取れない生活をしている人々のリアルさ...圧倒された。終わり方も凄く印象的で絶望だけじゃないのかなって思えて泣けた。
大手を振って「面白い、おすすめ!」っていうのとはまた違うけど、深く心に残る映画でした。
最速試写会にて鑑賞。
…打ちのめされてしまった。自分達が生きてる日常とは違う日常を生きてる人達は必ずいて
両親に向かって「世話出来ないなら産むな」っていう主人公12歳のザハルの台詞が全てを物語っていると感じた。鑑賞後に世界の色が変わってしまう作品だった。号泣した。
自分の妹を守れなくて涙するゼインを誰が責められるだろう、自分を養ってくれた女性の子供を守れなくて泣く彼を誰が守ってくれるのだろう。「僕を産んだ罪」で両親を訴えるゼインの気持ちが辛い。これはおそらく世界の現実の一部分だ。

この作品は本当に本当に一人でも多くの人に観て欲しい。いろんな事に気付いたり今の環境に感謝したり疑問を持ったりする映画だと思う。とても打ちのめされるけど、素晴らしい映画だ。"観れてよかった"なんて言葉では片付けられないぐらいのものをこの映画から受け取った。
じぇれ

じぇれの感想・評価

3.9
【是枝裕和の影響下にある”現実”を切り取るフィクション】

本作を観て思い出すのは、是枝裕和監督の出世作『誰も知らない』。
出演者に役と同じ状況を用意し、俳優自身の感情を利用していく手法も同じです。
しかも、本作では出演者たちの出自も物語に積極的に盛り込み、レバノンの今を切り取っていきます。

パンチとしてはかなり強烈な1作で、単なる毒親批判のための映画ではなく、「個人の平和とは何か」「私たちは何をすべきなのか」などと終始考えさせられます。

しかしながら、複数の批評家による「これは”貧困ポルノ”だ」という指摘を否定しきれないのも事実。

ただの”貧困ポルノ”として人々を泣かせて終わるのか、はたまた世界が変わるきっかけになりえるのか?
これは私たち観客一人一人に委ねられているといっていいでしょう。

※主演のゼイン・アル=ハッジくんは、『誰も知らない』の柳楽優弥くんを彷彿とさせ、とても印象的な演技を見せてくます。
彼を含めた出演者の方々が心の平和を掴めるよう、心よりお祈りします。
試写会鑑賞。

少年ゼインの寂しさと混沌を受け入れている瞳が印象深い。

生きる証、証明書がないと存在しない者なのか?
ゼインに出来た新たな弟に愛情を注ぐ姿とは対照的にひどい親。

愛情がないなら産むな!とジンと響く言葉に胸が熱く、痛くなる作品だった。
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