『Capharnaüm/Capharnaum/Capernaum』
レバノン映画。
ネトフリ配信は今月末まで。
12歳の少年が両親を訴えた。「僕を産んだ罪」で。
ベイルートのスラム街に住む主人公ゼインには身分証がない。両親が出生を届けてないから、教育も医療も受けられず、存在が無に等しく、両親にこき使われる毎日。
わずか12年しか生きてない少年の方が、大人より実にしっかりしてて、そして客観的に物事をみている。それが余計に大人達の理不尽な生活や社会をより如実に見せつけている。
主役の子、ゼインくんは実際にシリア難民。演技が素晴らしく、圧巻。他の多くの出演者もリアリティを出す為実際の人達を使っている。
ナディーン・ラバキー監督は「いつも大人の犠牲になっているのは子供だから、子供が声を出して話すことができればどんなことを言うだろう」と作品を作ったとのこと。実際彼女は作中ゼインを擁護する女性弁護士役(彼の隣に座っている女性)で出演。
裁判の結果はどうなったのだろうか。少なくともゼインは傷害罪で5年の刑だけれど、親を訴えた結果はわからない。身分証明写真を撮るゼイン。違う方向からになったが、人として生きることを許されたことはわかる。ラストの笑顔。初めて見る彼の笑顔に涙が溢れて止まらなかった💦
この映画を知ったのは、最近個人的に良作フランス映画祭開催中で、Filmarksでレビューが高い作品を調べていて、フランス映画として出てきたからだ。(製作がフランスの為)
人間ってなんなんだろう。地球ってなんなんだろう。大人って戦争ばかりして、奪い合いばかり。彼の笑顔がずっと続くことを願うしか出来ないのがもどかしい。。。
ゼイン・アル・ラフィーアくんのその後だが、実際に彼は移民申請でノルウェーで元気に生活しているそう😊