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存在のない子供たちのhokaのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
3.2
私がシリアを旅したのは、Baššār Ḥāfiẓ al-ʾAsadの父、Hāfiz al-Asadの治世で社会主義国である為、トルコやヨルダン、レバノン等隣接する国に比べてインフラの整備や国民の経済状況も遅れているようだったが、人々は私を騙そうとする人はいなかったし、困った時には下心なく助けてくれようとしてくれた。
Damascus やHama、PalmyraやAleppoなど見るべきものも多かった。
印象はとても良かった国だった。

その後バシャールの治世となり、ISILが台頭し、ローマ遺跡であるPalmyraは標的になり、訪れた街は破壊された。

レバノンにもBaalbekという立派な遺跡がある。
‘75-’90まで続いた内戦もベイルートを彷徨いただけではもうその痕跡も分からなかった。HardRock Cafeまであった。

子供は単純に犠牲者だ。
イデオロギー闘争や宗教戦争なんて関係無い。
生まれ落ちた世界が、彼らが望んだものでも選択したものでも無いからだ。

今日本の移民や難民に対する入管や国民感情を見ていると悲しくなる。
専門家やコメンテーターまでもが、まるで対岸の火事を眺めているかのように、安い労働力として受け入れると治安が悪化するだの、職が奪われて失業率が高くなるだの、そうではなく命の問題なのだ。
少なくとも難民と移民の違いぐらいは知っていてほしい。

私は特別区を設けることから始めて、後継者や人手不足と言われている農業などに指導者と通訳を配して紛争地域の子供達を救う事ぐらいできる懐の深い国であって欲しい。
そう願わずにはいられない。
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